— 理学部数学科に進学して3年生になると、駒場キャンパス内とはいえ、いわゆる「数理科学研究科棟」という、駒場の正門を通らず右に曲がる小道を通ると目の前に見えてくる建物に通うことになる。その自然にあふれた小径は、私は心の中で「数学者の道」と名付けている。春は花が咲き、夏はセミが羽化し、秋は枯葉が舞い、冬は木枯らしが吹く。一年を通じてテンションが勝手に上がる小道である。理学部数学科図書室は、「すべての数学者に開かれた図書室」と書いてある。我々も文献複写によく通っている。みんなで通おう。必修と選択必修が続く。
代数系の初歩の理論。群論は割と深くやる。「代数学入門」みたいな本の、ガロワ理論以外はこの科目でやるイメージです。Sylowの定理とその応用まで。群の表現論の基礎を含む。我々の学年は桂利行先生にその著書を教科書としてこの必修科目を習ったが、Sylowの定理の証明がなぜ教科書に書いてないのか(授業で扱わなかったのか)結局伺う機会を逸してしまった。さて、群とは、演算が一つしかない集合である。それゆえ、公理から一歩一歩論証していることに慣れている学習者(例えば集合と位相の既修者)にはとても楽しいが、そうでないと何をやっているかわかりにくい面がある。
「以下の教科書は、群論のみならず、代数学全般の参考書をも含んでいる。日本人に生まれてよかった、というほど日本語の良い教科書がたくさんある。なお、1つ目以外は、「ガロワ理論」の章を「代数学III」の教科書として使える。」
我々の受けた講義のノート。
我々が受けた時の教科書に指定されていた。この本に書かれていることは代数学の基礎の基礎に過ぎないが、過不足ない説明でよくまとまっている。すべて読んだが、ガロワ理論で実は一か所だけ埋められていない「穴」がある。恥ずかしいので言いません。
著者は可換環論で世界的に有名。この本を読んだことはないが、「可換環論」をどうせ読まざるを得ないので、はじめから同著者の本で勉強するのもいいかなあと思う。
代数幾何の教科書は同著者のものが最良なので、やはり基礎から同じ著者のもので勉強するとよい。
ガロア理論がよさそう。
例がたくさんあってよい。
環と加群の理論。入門レベルより後のことを学ぶ。準素分解、Krullの標高定理、正則局所環のSerreの定理など。環論そのものも面白いし、代数幾何の基礎として必須。
これを教科書に指定したところから、私の人生の間違いが始まった。第3章の後半から行間があり過ぎるように思う。例えばこの本の一言が、松村本では3行で説明されていたりする。
最新の理論まで解説している。
この本を読むのが結局一番早い気がする。丁寧な記述。
世界的に有名。一番薄い。
例が多くてとても良い。
東大の教科書。相変わらず薄すぎる気がするが。
クルルの標高定理の古典的な証明が書いてある。通称永田環。ちなみに「代数幾何」宮西本の参考文献はこれでなく英語の本(翻訳ではない)。
体論とガロワ理論。代数学Iの各参考書の「ガロワ理論」の章も参照。
線形代数の復習からしていてよい本。
東大の教科書。読んでいません。
何でも書いてあってよい。通称永田体。