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数学科(大学4年次以降

このあたりからやっと数学は面白くなっていく。今までお疲れさまでした。楽しみましょう。大まかに分野に分けることも考えたが、分野はまたがってこそ面白いので、あえて雑多な順番に並んでいる。

  • 微分幾何学

    多様体論の続きである。ベクトル・バンドル、ファイバー・バンドル、接続などについて学ぶ。一般相対論を学ぶための数学と思ってもよい。

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    幾何学IIIであげた森田茂之本の2巻は、この講義の程度の教科書としても最適。

    1. - 今野宏 微分幾何学 東大出版

      学部時代の指導教員。厳しくも暖かい指導だった。これは「行間が詰まっている」との評もあるが、美しくまとまっていると思われる。

    2. - 小林昭七 接続の微分幾何とゲージ理論 裳華房

      学部セミナーで同著者の「複素幾何」を読んだので座右に置いていた。

    3. - 佐古彰史 微分幾何入門 森北出版

      「美しくない微分幾何の教科書」とのことで、好感が持てる。

    4. - Friedrich, Dirac Operators in Riemannian Geometry, GSM25(American Mathematical Society)

      以下連番です。このシリーズ、装丁と匂いが好きです。これは有名な本。

    5. - Berndt, An Introduction to Symplectic Geometry, GSM26(American Mathematical Society)

      シンプレックティック幾何を学ぶとなると深谷賢治さんの分厚い本か?と思っていると、この本が図書館にあった。よさげ。

    6. - Aubin, A Course in Differential Geometry, GSM27(American Mathematical Society)

      問題に解答がついていて丁寧でよさげ。モンジュ・アンペール方程式にいたる。

      今野宏 微分幾何学 東大出版小林昭七 接続の微分幾何とゲージ理論 裳華房佐古彰史 微分幾何入門 森北出版Friedrich, Dirac Operators in Riemannian Geometry, GSM25(American Mathematical Society) Berndt, An Introduction to Symplectic Geometry, GSM26(American Mathematical Society)Aubin, A Course in Differential Geometry, GSM27(American Mathematical Society)
  • 多変数複素関数論

    日本が生んだ世界的数学者・岡潔の理論を学ぶ。

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    はじめのの2冊を読むのがベストだと思う。最後の本は、参考文献に書いてあったもので、代数幾何の欄で紹介した中野茂男さんを信頼しているのでここに挙げた。入手は困難なよう。

    1. - 野口潤次郎 多変数解析函数論―学部生に送る岡の連接定理 朝倉書店

    2. - 野口潤次郎 岡理論新入門―多変数函数論の基礎 裳華房

    3. - 中野茂男 多変数関数論:微分幾何学的アプローチ 朝倉書店

      野口潤次郎 多変数解析函数論―学部生に送る岡の連接定理 朝倉書店野口潤次郎 岡理論新入門―多変数函数論の基礎 裳華房
  • 複素多様体論

    いわゆる「超越的手法」による複素多様体論を学びます。

    1. - 小木曽啓示 代数曲線論 朝倉書店

      巻末の参考文献とコメントが素晴らしい。

    2. - 小林昭七 複素幾何 岩波書店

      学部セミナーで今野宏さんと読んだ本。挫折しようと研究室を訪れたら「君は一歩一歩理解して進んでいるじゃないですか!」と励ましてくださった。

    3. - 小平邦彦 複素多様体と複素構造の変形 東大セミナーノート

      無料でpdfダウンロードできる。

    4. - 小平邦彦 複素多様体論 岩波書店

    5. - 堀川穎二 複素代数幾何学入門 岩波書店

      名著。基礎から解説してある。

      小木曽啓示 代数曲線論 朝倉書店小林昭七 複素幾何 岩波書店小平邦彦 複素多様体と複素構造の変形 東大セミナーノート小平邦彦 複素多様体論 岩波書店堀川穎二 複素代数幾何学入門 岩波書店
  • 代数幾何

    代数的な手法による代数幾何を学ぶ。多項式の根として定義された図形を研究する。一次式のときのみ、線形代数で既習。その意味では線形代数に直接つながる。広中平祐、森重文とフィールズ賞受賞者を輩出している。

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    スキーム理論を学ばなければならないだろうが、その前にはじめの4冊でスキーム理論前のことを学んだ方がいいように思われる。

    1. - 上野健爾 代数幾何入門 岩波書店

      具体例が多くてよい。

    2. - リード 初等代数幾何講義 岩波書店

      実は手元にないが、「可換環論」の本から推定するに、よさそう。

    3. - 中野茂男 代数幾何学入門 共立出版

      これはいい本。スキーム理論の前に読んだ方が良い。微分幾何出身の私から見ると、こういうことが知りたかった!という感じだ。

    4. - 桂利行 代数幾何入門 共立出版

      高校生の私の夢は大分県立図書館にあったこの本を読むことだった!

    5. - 上野健爾 代数幾何 岩波書店

      これは分かりやすい。しかしたまに行間がしんどい。一緒に読もう。

    6. - 永田雅宜/宮西正宜/丸山正樹 抽象代数幾何学 共立出版

      深谷賢治さんが、この本を読んだのがいい思い出、のように岩波の月報で書いていた。私も持っている!

    7. - 宮西 正宜 代数幾何学 裳華房

      これはいい本では?読んでなくてすみません。

    8. - ハーツホーン 代数幾何学

      有名だが、日本語訳が出てから逆になかなかテンションが上がらない。白石潤一さんが「数学者としてはやはり読まんとだめかねー」と言っていた。

    9. - 向井茂/上野健爾/清水勇二 モジュライ理論 岩波書店

      上野健爾 代数幾何入門 岩波書店リード 初等代数幾何講義 岩波書店中野茂男 代数幾何学入門 共立出版桂利行 代数幾何入門 共立出版上野健爾 代数幾何 岩波書店永田雅宜/宮西正宜/丸山正樹 抽象代数幾何学 共立出版宮西 正宜 代数幾何学 裳華房ハーツホーン 代数幾何学向井茂/上野健爾/清水勇二 モジュライ理論 岩波書店
  • 関数解析

    無限次元の線形代数。「解析」というより、位相空間論を学ぶ感覚に近い。偏微分方程式論にも必須である。上記解析学Iでの谷島賢二本、解析学IIの新井仁之本のそれぞれ後半でも学べる。

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    無限次元の線形代数。「解析」というより、位相空間論を学ぶ感覚に近い。偏微分方程式論にも必須である。上記解析学Iでの谷島賢二本、解析学IIの新井仁之本のそれぞれ後半でも学べる。

    1. - 新井朝雄 ヒルベルト空間と量子力学 共立出版

      線形代数は量子力学を学ぶために必須です。学部4年生(2回目)のとき、私はルベーグ積分以外の単位はすべて取っていたため、本郷の図書館、経済学部の図書館、空き教室でこの本を学んだのがいい思い出。この本の内容をまとめて、北大大学院の入試レポートとした。

    2. - 藤田宏/黒田成俊/伊藤清三 関数解析 岩波書店

      比較的最近、この本で学びなおした。

    3. - 黒田成俊 関数解析 共立出版

      これも持っているだけだが、よさそう。

    4. - 中村周 量子力学のスペクトル理論 共立出版 

    5. - ブレジス 関数解析 産業図書

      新井朝雄 ヒルベルト空間と量子力学 共立出版藤田宏/黒田成俊/伊藤清三 関数解析 岩波書店黒田成俊 関数解析 共立出版中村周 量子力学のスペクトル理論 共立出版 ブレジス 関数解析 産業図書
  • 作用素環論

    関数解析の続きとして、面白そうな分野である。河東泰之さん、小澤登高さんなど、世界的な研究者が多い。竹崎理論は死ぬまでに学んでみたい。誰か教えて欲しい。本は買ってある。

    1. - 竹崎正道 作用素環の構造 岩波書店

      大分に帰省中に本屋にあったので見つけて買った。誰か私のセミナーで読んでください。

    2. - Conway A course in operator theory GSM25(American Mathematical Society)

      このシリーズ好きなので。この著者は「関数解析」が有名だが、この本はいいのかな?

    3. - 梅垣寿春/日合文雄/大矢雅則 作用素代数入門 共立出版

      これもよさげで昔買った。

      竹崎正道 作用素環の構造 岩波書店Conway A course in operator theory GSM25(American Mathematical Society)梅垣寿春/日合文雄/大矢雅則 作用素代数入門 共立出版
  • 数論

    数論のファンは多い。私も勉強したいと思いながら、機会がない。今年こそ講義する予定である。

    1. - 高木貞治 初等整数論講義 共立出版

    2. - 素体と2次体の整数論 青木昇 共立出版 

      今年の講義の教科書にした。まだ読んでない。

    3. - 加藤和也/黒川信重/斎藤毅/栗原将人 数論 岩波書店 

      私はこの講座は全部持っているのよ。

    4. - 小野孝 数論序説 裳華房 

      小野孝さんは優しい方のようだ。その優しさに包まれたこの本をいつか読みたい。誰か読んで聞かせておくれ。

      高木貞治 初等整数論講義 共立出版素体と2次体の整数論 青木昇 共立出版 加藤和也/黒川信重/斎藤毅/栗原将人 数論 岩波書店 小野孝 数論序説 裳華房 
  • 確率論

    東京大学では、測度諭を学んだあとに4年の選択で確率論を学んでいた。私は明星大学で「確率科学」の講義担当を仰せつかったので、この機会に伊藤積分まで学んだ。

    1. - 福島正俊 確率論 裳華房

      有名な研究者。微積からのつながりがある。私ははじめこの本で学んだ。

    2. - 舟木直久 確率論 朝倉書店

      これも読んだ。

    3. - 舟木直久 確率微分方程式 岩波書店

      私は乱暴にも先にこっちを読んだ。伊藤の公式が学べる。

    4. - 鈴木淳史 現代物理数学への招待 サイエンス社

      よさそう。

      福島正俊 確率論 裳華房舟木直久 確率論 朝倉書店舟木直久 確率微分方程式 岩波書店鈴木淳史 現代物理数学への招待 サイエンス社
  • 層とホモロジー代数

    「かっこいい」のですぐに学びたくなるが、トポロジーや可換環論、代数幾何などを学んで必要に応じて学ぶといいと思う。現状では次の一択。

    1. - 志甫淳 層とホモロジー代数 共立出版

      志甫淳 層とホモロジー代数 共立出版
  • Lie群とLie環

    いわゆる表現論である。様々な分野と関わり、とても面白い。

    1. - 平井武/山下博 表現論入門セミナー 日本評論社

      具体例が多く、面白そう。

    2. - 小林俊行/大島利雄 リー群と表現論 岩波書店

    3. - 竹内外史 リー代数と素粒子論 裳華房 

    4. - 杉浦光夫 ユニタリ表現入門 東京図書

      買おうと思っていたら絶版?

    5. - 白石潤一 量子可積分系入門

      師匠の本。そのうち読みたいわ。

      平井武/山下博 表現論入門セミナー 日本評論社小林俊行/大島利雄 リー群と表現論 岩波書店竹内外史 リー代数と素粒子論 裳華房 杉浦光夫 ユニタリ表現入門 東京図書白石潤一 量子可積分系入門