— 日本人ほど宗教に無知な国民はいない。誤解されているが、日本人は非常に宗教的な民族である。
人類の思想と歴史を理解するのに、宗教のことは避けて通れない。
この講座では様々な宗教の経典を批判的に読んでいく。
プラトンの「ソクラテスの弁明」を講読する。古典語中級(ギリシア語)を参照。
カントの「純粋理性の限界内における宗教」を講読する。
西洋哲学史について概観する。
西田幾多郎の講義録、あるいは「善の研究」あるいは木田元「わたしの哲学入門」を読む。
まったく初めての方のために、高校レベルの倫理を概観する。
ショアーを見る。アイヒマン裁判について学ぶ。
日本人ほど宗教に無知な国民はいない。誤解されているが、日本人は非常に宗教的な民族である。「無宗教だ」と宣言してはばからないにもかかわらず、無条件に「金は大事だ」などの「信仰」を持っている。多くの 日本人は金に信仰があるので、一万円札を破ると怒る。キリスト教の初歩を学ぶと、聖書に「カエサルのもの はカエサルに」と書いてある。また「資格信仰」もある。西洋のプロテスタント運動は、広くとらえると「資 格信仰」からの脱皮である。日本の伝統的な宗教とされている神道は、いわゆる伝統的なアニミズムが残っているに過ぎない上、第二次大戦の国家神道の批判にも耐えなければならない。またキリスト教は世界中でたくさんの人を殺しまくってきた。この批判に耐えなければならない。人類の思想と歴史を理解するのに、宗教のことは避けて通れない。様々な宗教の経典を批判的に読んでいく。哲学演習 II も履修すること。